機構長あいさつ
文部科学省から発行されている「一家に1枚元素周期表」を見ますと、1族第2周期に位置するリチウムの欄には、リチウムイオン2次電池に関する記載があり、具体的な用途として電気自動車、スマートフォン、ドローンが挙げられています。電気自動車等の普及により、短期間にリチウムの需要が急増し、今後はリチウムのリサイクル技術の確立が必要不可欠です。
弘前大学では2019年に研究・イノベーション推進機構にて「高効率リチウム資源回収技術の創成」に関する研究を次世代機関研究として認定し、重点的に研究開発を進めてまいりました。本事業はSociety5.0実現に向けて、日本の産業を堅持しさらに発展させていくために重要なものです。このような背景から、全学的な組織としてリチウム資源総合研究機構を設置させていただき、今後は組織を整備し、塩湖等からのリチウム資源の採取技術の確立にも取り組んでいきます。
毎日のように報道されているとおり、次世代のエネルギーとして期待される核融合発電に関する研究開発が急速に進展しており、ベンチャーをはじめとして様々な企業等が参画し、その実現が大幅に前倒しされる可能性もあります。核融合燃料のトリチウム製造に必要な6Liの濃縮の実現やトリチウム増殖材料の開発にも、弘前大学発の技術を基に取り組んでまいります。今後とも、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
機構長 金本 俊幾